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マニアな鉄道の本

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"時刻表2万キロ"

宮脇俊三河出文庫1980年5月刊
 わたくしめの人生を狂わせた書物その1である。小学5年生の時これを読み、当時鉄道ブームにはまっていたわたくしめは、一辺で喉元奥深くまでこの「時刻表マジック」にドップリ浸かってしまったのである。
 内容は至って単純な、中年男性の鉄道旅行記なのだが、その時刻表を読み尽くした風景は、幼いわたくしめのあこがれるところとなりました。
 

"阿房列車"
"第二阿房列車"
"第三阿房列車"

内田百旺文社文庫1979年5月刊
 わたくしめの人生を狂わせた書物その2である。本当は「百間」の「間」の字はわざと「門構えに月」にするのが本当なのだけど、そんなのはインターネットのフォントにはないので「百間」にしますよ!
 それはともかく、話としては戦後すぐの、特急列車が走り始めたというので乗りたくなって乗ってしまったという話なんだけど、氏のやる気無さげな言い草と、お付きの「ヒマラヤ山系」氏との軽妙なやりとりが面白く、漢字も旧字体で仮名も旧仮名なのに小学六年にして一日で読み終わってしまった。
 シリーズは一応3作で完結の形になっているが、その中で上記の特急「はと」はもちろん、九州や東北などを好き勝手に動き回っている。この本を買ってから内田百間にはまってしまい、随筆など全巻買ってしまった。
 ちなみ旺文社は「旺文社文庫」なんてとっくのとうに止めているので、今は福武書店(ベネッセ)から新仮名つかい、新字体で、収録図書をバラバラにして文庫が出てるはず。「内田百間全集」も1988年に同じく福武書店(当時)から出ている。
 

"新幹線をつくった男
島秀雄物語"

高橋団吉小学館2000年5月刊
 文章力は弱いし、連載そのままの文章なのか構成もぶつ切りなところがあるけれど、「新幹線をつくった男」と呼ばれる島秀雄とその父の2代に渡る伝記と、建設に係わった人たち(たとえば十河第4代国鉄総裁など)の新幹線というモノに対する熱意がよく分かる本。
 時速200キロの世界というのは魔術のように突如現れたのではなく、あくまでも今までの(在来線での)技術の積み重ねで成り立っている物であること、開業当時はまさに「夢の超特急」であったため、始めから規格ギリギリに造るのではなく、将来への発展性を見越し余裕を持って造られていることなど、 戦前から高度成長期へと続くその島親子が構築した「新幹線」と言うシステムについて詳しく書かれている。
 

"新幹線はもっと速くできる"

川島令三中央書院1999年8月
 最初見て、これは整備新幹線反対論調かと思いきや、とんでもないオッサンの夢物語だと知った。たとえば東京〜札幌を時速350Kmで新幹線を走らせれば3時間台で着き、飛行機に充分競争できるとか。
 現実的な面もちゃんと押さえていて、たとえばわたくしめは山陽新幹線以降の新幹線(フル規格)は皆同じ規格で造られているのかと思っていたのだけれどそうでなく、東北・上越新幹線はあまりにも金のかかる贅沢工法だったため、 その後の長野新幹線とか、建設中の整備新幹線などは全て東北・上越などから見ると格段に劣る「廉価版」として建設されているのね。だからこないだの台風の時、災害に弱いはずの東海道新幹線でさえ動いていたのに、新しいはずの長野新幹線が簡単に停まったのね。
 リニア新幹線や山陽新幹線の350Km対応なども含めて、言いたいことを言いまくった本。
 

"南蛮阿房列車"

阿川弘之新潮文庫1980年11月刊
 内田百間の「阿房列車」をモチーフに、海外の汽車ぽっぽに乗りまくった話。続編の「第2」の方がちょっと面白いかなぁ。
 

"乗物万歳"

阿川弘之・北杜夫中公文庫1981年1月刊
(中央公論社1977年4月刊)
 汽車ポッポを中心とした乗物狂いの阿川氏と、「どくとるマンボウ航海記」が有名だけどかといって父親ほど乗物好きではない北氏の、仲の良い2人の乗物掛け合いトーク集。